「廃人の会」に入会した
拙著『言葉が見る夢』の献本・販売に忙しい日々の中、古い友人の家を訪ねた。
写真の絵は、画家であるその友人が描いたものである。すばらしい絵だ。
彼は、私と同じように、ある職に就きながら絵を描いてきた人であった。
しかし、彼は、今はその職を退き「廃人の会」というゆるやかな結社を作り、そこの会長として存在していた。
そこには、私と同じように再任用で働く「半廃人」もいた。「廃人」とは、還暦を過ぎ、自分にはもう社会に有用な仕事はできないと観念しながらも、自由、かつ、しなやかに、そして、社会にできる限り関わって生きる人を指すらしい。その「廃人思想」に共感し、私も入会することにした。手続きは、ただ、「入ります」と言うことだけだった。
会員番号を聞いてくるのを忘れた。
だから、私は、勝手に、「鉄人28号」ならぬ「廃人28号」と名乗ることにした。
深遠な「廃人思想」も、古き良き時代のアニメ「鉄人28号」も知らぬ小学生の息子は、言葉の響きが気に入ったのだろう、私を「廃人28号」と呼ぶようになった。
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